
飯島町の農産加工事業者が目指す「1事業者1アイテムの新商品開発・既存商品のブラッシュアップ」に向け、専門家を招いた「商品開発セミナー」が開催されました。
今回のセミナーは、デザイナーによる「ブランディングとパッケージデザインの基礎」と、食品技術担当者による「食品の保存性と加熱殺菌の科学」の二部構成で実施されました。
商品に込める思いの可視化から、安全に長期保存するための科学的アプローチまで、現場で実践できる具体的なノウハウが共有された当日の講座内容をお届けします。
参加メンバー
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検討会メンバー
竹澤綾子さん(いつわ農産加工)
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検討会メンバー
佐々木妙子さん(いつわ農産加工)
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検討会メンバー
那須野智代美さん(味噌加工研究会)
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検討会メンバー
村瀬弥生さん(味噌加工研究会)
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検討会メンバー
北澤澄子さん(若葉の会)
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検討会メンバー
村澤昇さん(ふるさとの味)
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検討会メンバー
塩澤尚美さん(おいもちゃん)
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検討会メンバー
矢澤孝子さん(おいもちゃん)
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アドバイザー
小林淳美さん(加工実務経験者)
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上伊那農業農村支援センター
片桐直樹さん
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信州6次産業化推進協議会
中山芳徳さん
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飯島町
平井慎太郎さん
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飯島町
岡田孝章さん
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株式会社和郷
高橋義直さん
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株式会社和郷
角田さやかさん
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専門アドバイザー
野口朋宏さん
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専門アドバイザー
松本奈々さん
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専門アドバイザー
小澤明夫さん
前半:ブランディングとパッケージデザインの基礎

ブランディングの原点は「思いの言語化」
ブランドをつくる第一歩は、商品に対する考え方や素材のこだわり、製造方法などを言葉にして書き出す「言語化」の作業です。自分たちの軸を言語化しておくことで、デザイナーへの依頼や自社でのプロモーションがスムーズになります。
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自己認識:自社や商品の特徴、強み、テーマカラーを正しく把握する。
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ビジョンとメッセージ:商品を通じて実現したい未来やメッセージを明確にする。
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強みの明確化:「自家栽培の農産物使用」「無添加」など、他社が真似できない強みを特定する。
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継続的なPR:ブランドは発信し続けて初めて認知される。時代の変化に合わせて絶えず育てていく姿勢が大切。

伝える情報を厳選するパッケージデザイン
売り場で商品が顧客の目に触れる空間は限られています。限られたパッケージ面積の中で、伝えたい情報を厳選して配置することが重要です。
デザインを依頼・作成する際は、あらかじめ以下の項目を整理した「発注書(シート)」を用意しておくことで、認識のズレを防ぎ理想のパッケージへ近づけることができます。
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パッケージ制作に必要な基本9項目
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① 商品名
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② 事業者名・製造者名
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③ コンセプト・ストーリー(なぜ作ったのか)
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④ ターゲット(大人向け、子供向け等)
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⑤ 利用シーン(朝食、ギフト、おつまみ等)
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⑥ 流通チャネル(直売所、通販、スーパー等)
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⑦ 競合商品の調査(類似デザインや価格帯の把握)
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⑧ キャッチコピー
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⑨ デザインイメージ(カラー、世界観、イラスト等)
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※外注時やクラウドソーシング利用時は、デザインデータの所有権や商標登録の有無(J-PlatPatでの事前検索等)について事前に確認・契約しておくことが推奨されます。
後半:食品の保存性と加熱殺菌の科学

食品の保存性を高める「4つの要素」
料理と加工食品の決定的な違いは「日持ちするかどうか」です。食品中の微生物が増殖する要素をコントロールすることで、安全に長期保存できる加工食品が完成します。
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温度:30℃〜40℃付近で最も増殖するため、低温管理または加熱殺菌を行う。
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酸素:多くの微生物が必要とするため、脱酸素剤の使用や真空包装で遮断する。
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水分(水分活性):微生物が利用できる「自由水」を減らすため、乾燥や塩漬け・砂糖漬け(加塩・加糖)を行う。
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pH(酸度):酢や果汁などを加え、酸性(pHを低く)に寄せることで増殖を抑える。
微生物の特性と適切なコントロール方法
食品に影響を与える微生物(細菌・酵母・カビ)は、それぞれ特性や制御方法が異なります。
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細菌:食中毒の主な原因。pH(4.6以下目安)や水分活性(0.90以下目安)を低く抑えることで増殖を防止する。
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酵母・カビ:pHや水分活性が低くても増殖しやすいが、「熱に弱い」特性を持つ。適切な加熱殺菌(湯煎・スチーム等)や脱酸素剤の併用で制御する。
現場で実践する安全な加熱殺菌と検証
一般的な加工食品(ドレッシングやタレ等)の加熱殺菌条件は「85℃で30分」が一つの目安となります。品質(風味や色)と殺菌効果のバランスが取れた条件を見極めることがポイントです。
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加熱殺菌時の現場のポイント
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加熱ムラの防止:一度に大量に作りすぎず、容器同士に熱(湯や蒸気)が通る隙間を確保して並べる。
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中心温度の計測:固形物や粘性のあるタレ類は熱が伝わりにくいため、必ず中心部の温度を測定して時間を計測する。
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原料の初期菌数を抑える:元々の原料が汚れていると殺菌しきれないため、製造工程全体を衛生的に保つ。
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製造した商品は「製造直後」と「一定期間経過後(2週間等)」の2段階で微生物検査を行い、加熱殺菌が正しく機能しているか確認・検証しながら商品化を進めていきます。

本講座の要約(まとめ)
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思いの言語化とデザイン整理:自社の強みやターゲット、利用シーンを事前に言語化して整理しておくことで、ブレのない魅力的なパッケージデザインやプロモーションが可能になる。
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保存性を高める科学的コントロール:加工食品の長期保存には「温度・酸素・水分(自由水)・pH」の制御が不可欠であり、酸度・水分活性の調整と適切な加熱殺菌を組み合わせることが重要となる。
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現場における確実な殺菌と検証:中心温度の計測や加熱時の隙間確保、原料の初期菌数を抑える衛生管理を徹底し、製造直後と保管後の2段階で微生物検査を行うことで、安全性の高い商品を安定して提供できる。