2026/07/06

【第1回持続可能な農業農村検討委員会】
「検討」から「実行」のステージへ!飯島町の未来を占う全町民アンケートと、動き出す3つの実践プロジェクト
【第1回持続可能な農業農村検討委員会】
「検討」から「実行」のステージへ!
飯島町の未来を占う全町民アンケートと、
動き出す3つの実践プロジェクト

令和8年度の「第1回持続可能な農業農村検討委員会」が開催されました。本年度から新しく着任した委員を迎え、飯島町の農業・農村モデルの再構築は、いよいよ「検討」から「試行・実行」のフェーズへと大きく舵を切りました。

3か年計画の2年目となる今年度、どのような具体策が動き出し、どのような議論が交わされたのか。町全体の未来を見据えた、熱い会議の模様をレポートします。

参加メンバー

  • 会長

    酒井富夫さん(富山大学名誉教授)

  • 副会長

    竹澤秀幸さん

  • 外部有識者

    岩崎史さん

  • 上伊那農業協同組合関係者

    下島芳幸さん

  • 地区営農組合関係者

    斎藤久夫さん

  • 外部有識者(上伊那農業農村支援センター所長)

    倉田庄一郎さん

  • JA上伊那営農経済部企画課課長

    田畑尚洋さん

  • 関東農政局長野拠点

    宮川健一さん

  • 関東農政局長野拠点

    北原孝康さん

  • 関東農政局長野拠点

    牧内恭子さん

  • 飯島町産業振興課

    平井慎太郎さん

  • 飯島町産業振興課

    岡田孝章さん

  • 株式会社和郷

    髙橋義直さん

  • 株式会社和郷

    角田さやかさん

  • 見える化担当

    三浦亮さん

動き出す3つの実践プロジェクト:「雇用」「キャンプ」「草刈り」の現在地

昨年度の検討会で種をまいた仕組みが、今年度に入り一気に具体化しています。会議では、現在進行中の3つの重要プロジェクトの進捗が共有されました。

  • 【雇用体制強化事業】13件の生産者で共同申請: 農家の受入体制を整備する本事業。4月に開催した説明会には町内60経営体が参加し、最終的に意向の固まった13件の生産者で共同申請を行いました。7月の採択結果を受け、まずは1法人から得られる知見を随時地域へ共有し、効果的な労務環境づくりを推進します。

  • 【IIJIMA AGRI CAMP(IAC)】産学官+JA連携で関係人口創出へ: 大都市圏の若者や社会人をターゲットにした、飯島町オリジナルの体験研修プログラムの全貌が明かされました。信州大学の学生や楽天の社員を巻き込む産学官連携に加え、JA上伊那飯島支所の食育・農業理解促進事業との連動も協議中。さらに、研修内容に「草刈り」を組み込むことで、地域の課題解決に直接つなげる計画です。

  • 【草刈組織の構想】民間連携による試験的実証がスタート: 「米づくりに専念するためには、草刈り作業の受託先が絶対に必要である」という生産者からの切実な提案を受け、新たな草刈組織の立ち上げ構想が始動。事業として自立させるための損益分岐点を割り出すため、まずは株式会社和郷と連携し、数値データ収集を目的とした試験的実証を行います。

全町民・全農地所有者を対象とする「先進的なアンケート」の挑戦

地域計画を名実ともに「実効性のあるもの」にするため、委員会ではこれまでにない大規模なアンケート調査の実施を決定しました。

地域計画は毎年見直しが行われるため、その基礎データをアップデートする狙いもあります。驚くべきは、その対象範囲です。一般的な農業者向け調査にとどまらず、「町外居住者を含むすべての農地所有者」への悉皆(しっかい)調査に加え、「町民全世帯」へのアンケート実施へと踏み出します。全町民を対象とした地域計画の調査は全国的にも例が少なく、極めて先進的な試みです。

「農業者向け」と「一般町民向け(CSA・消費者視点)」で項目を分け、さらには地元企業向けアンケートの有効性も指摘されました。7月上旬の地区懇談会と同時期に、Googleフォームと紙媒体を併用して一斉に実施される予定です。10年後の飯島町の人口・農業者・農地のリアルな姿を見据え、「100年先へつなぐ」ための最重要データとなります。

「農村のRMO」の方向性と、40年の歴史を背負う「全体方針」

検討課題として、地域運営組織(RMO)のあり方が議論されました。過去に田切地区営農組合で取り組んだ経緯があるものの、町全体としての明確な方向性はまだ定まっていません。

農水省が定義する農地利用調整機能を持つ「農村RMO」と、生活支援などを広くカバーする「農村のRMO」では、入口もアプローチも大きく異なります。本年度後半の本格議論に向け、まずは予備知識としての資料共有が行われました。

また、委員からは「各論中心の議論に終始するのではなく、40年間営農センターが積み上げてきた方針を踏まえた、大きな目標(全体方針)が必要である」との重要な指摘がありました。これを受け、次回の検討会では、プロジェクト全体の核となる「一貫したスローガン」を設定する方針が決定しました。

「誰が・どのように・いつまでに実施するか」。ロードマップの言葉自体も「検討」から「実行」へと書き換えられ、飯島町の持続可能な未来への歩みは確実に加速しています。

会議内容要約

📋 持続可能な農業・農村モデル再構築検討委員会 会議概要

■ 基本情報

  • 案件:令和8年度飯島町輝く農山村地域創造プロジェクト事業 持続可能な農業・農村モデル 再構築検討業務

  • 日時:令和8年(※4月〜5月度開催)13:30〜15:00

  • 出席:持続可能な農業農村検討委員会 本会委員、オブザーバー、事務局(詳細アジェンダ参照)、株式会社和郷

■ 協議・進捗報告内容

1. 新着任委員の紹介と実践事業の進捗報告

  • 雇用体制強化事業:町内60経営体へ案内後、4月8日に説明会を開催。参加意向を示した生産者13件(4法人のうち1法人含む)で3月末に申請完了。7月採択予定。

  • IIJIMA AGRI CAMP:大都市圏、信州大学、楽天社員等をターゲットとした関係人口創出プログラム。JA上伊那飯島支所の食育事業との連動を検討。研修内容に草刈り要素を紐付け。

  • 草刈組織(名称未定):生産者(座光寺氏)より、米づくりに専念するための草刈り受託組織の提案あり。自立的な事業化に向け、和郷と連携して損益分岐点把握のための試験的実証(データ収集)を開始。地域おこし協力隊の活用も視野。

2. ロードマップおよびスケジュール

  • 3か年計画の方向性を共有(R7:ヒアリング・課題整理、R8:方向性具体化・試行的取組、R9:具体策決定)。

  • 業務を「地域の循環」と「健康の循環」の2軸に分類して推進。

  • 今後は「検討段階」から「実行段階」へ移行し、スケジュールやロードマップの表現も実行を意識したものへ随時改定。

3. 地域計画の実効性を高める「悉皆調査アンケート」の実施案

  • 対象拡大:町外居住者を含む全農地所有者への悉皆調査に加え、町民全世帯(一般町民)を対象とする先進的な方針を決定。地元企業向けアンケートの有効性も議論。

  • 項目分離:農地所有者・農家向け(10年後の営農意思など担い手把握)と、一般町民向け(CSA的観点、町内への農産物安定供給など)で内容を分けて設計。

  • 実施時期・手法:7月上旬の地区懇談会と同時期に実施。Googleフォームと紙媒体を併用。回収データは毎年見直す地域計画の基礎データとして活用。

4. 地域運営組織(RMO)と特定農業法人制度の論点

  • 田切地区営農組合での取り組み経緯を踏まえつつ、町全体での方向性定義が急務。

  • 「農村RMO」と「農村のRMO」の定義・入口の違いについて、本年度後半の議論に向けた予備知識の資料共有。

  • 特定農業法人制度(特定農用地利用規定)の5年延長の有無、制度的位置づけの更新状況について、役場にて持ち帰り確認。

5. 大学連携と全体方針(スローガン)の策定

  • 大学側(信州大等)のカリキュラムは本年度確定済みのため、意向調査・情報共有を継続しつつ、来年度に向けた「主催者を育てる」連携を検討。

  • 各論に終始せず、営農センターが40年間積み上げた歴史を踏まえた大きな目標を共有するため、第3回検討会にて「全体スローガン」を設定する計画。

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