2026/05/19

【視察レポート】愛知県豊田市「しきしまの家」に学ぶ、住民が主役の持続可能な地域づくり 【視察レポート】
愛知県豊田市「しきしまの家」に学ぶ、
住民が主役の持続可能な地域づくり

輝く農山村地域創造プロジェクトの一環として、令和8年2月20日、愛知県豊田市杉本町の「しきしまの家」を視察しました。少子高齢化が進む中山間地域において、どのように農地を守り、住民の暮らしを支える仕組みを築いたのか。飯島町の未来を考える上での大きなヒントを探りました。

【視察概要】

  • 日時: 令和8年2月20日(木)

  • 場所: 愛知県豊田市杉本町(しきしまの家)

  • 参加者: 富山大学 酒井教授、齋藤久夫、塩澤正登、福井守、西村企画係長、伊藤営農担当係長、平井

参加メンバー

  • 富山大学名誉教授

    酒井富夫さん

  • アドバイザー

    齋藤久夫さん

  • 検討会メンバー

    塩澤正登さん

  • 検討会メンバー

    福井守さん

  • 飯島町

    西村企画係長

  • 飯島町

    伊藤営農担当係長

  • 飯島町

    平井係長

視察の目的と背景

令和8年2月20日、飯島町の「輝く農山村地域創造プロジェクト」の一環として、愛知県豊田市の「しきしまの家」を訪問しました。行政の延長ではなく、住民が自らの意思で「地域の未来」をハンドリングするその姿は、私たちが目指す営農体制ブラッシュアップの完成予想図とも言えるものでした。

「中学生の言葉」が火をつけた、真の地域づくり

「しきしまの家」が本格的に動き出したきっかけは、ある公開討論会での中学生の厳しい一言でした。 「大人の皆さんは、計画したことを実現したことがあるのか。戻ってきたいと思う人は一人もいない」 この言葉に突き動かされた大人たちが、コンサルタントに頼らず、自分たちの手で「しきしま・ときめきプラン」を策定。役場OBなどの知見を活かし、地に足のついた活動を開始しました。

住民の困りごとを「生きがい」に変える支え合い

「しきしまの家」の核となるのが、独自の「支え合いシステム」です。

  • マッチングの妙
    草刈りなどの困りごと(依頼)と、動ける住民(協力者)を繋ぎます。

  • 「助けられっぱなし」にしない: 例えば、草刈りを依頼した90歳の高齢者が、得意の「梅干し作り」で誰かを助ける側に回る。役割があることが、地域の高齢者の大きな「生きがい」に繋がっています。

  • 法人化への進化: 責任の所在を明確にするため、来年度からは法人化し、地域組織としての持続性をさらに高める予定です。

消費者と繋がる「米のCSA(地域支援型農業)」

農業の維持においては、生産者と消費者が直接契約する「CSA」が大きな成果を上げています。

  • 自給家族システム: 350家族もの消費者と直接契約。アプリを活用した在庫・配送管理を徹底しています。

  • 援農ボランティアの力: 単なる消費者に留まらず、鳥獣害対策の柵設置や草刈りにもボランティアとして参加。人手不足を「都市部との交流」で解決しています。

  • 独自の収益源: CSAや新電力事業などを組み合わせ、年間1,000万円を超える事業収入を確保。中山間直接支払い交付金だけに頼らない経営を実現しています。

視察の成果と飯島町へのフィードバック

今回の視察を通じて、以下の3点が飯島町のプロジェクトにおける重要な鍵となると確信しました。

  1. 「一部の人」ではなく「皆で」: 組織の一部が頑張るのではなく、地域全体が当事者となる空気づくり。

  2. デジタルとアナログの融合: アプリでの効率化を進めつつも、最後は「顔の見える関係性」を重視すること。

  3. 農地パトロールによる鳥獣害対策: 柵だけに頼らず、人が圃場を巡回し、獣とのテリトリーを明確にすること。

「しきしまの家」で見た、住民がいきいきと役割を持って暮らす姿。それは、私たちが目指す「輝く農山村」のひとつの完成形でした。今回の学びを、飯島町の営農体制ブラッシュアップにしっかりと反映させていきます。

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