令和8年7月10日(金)、七久保林業センターにて「七久保地区懇談会(地域複合営農の見直しに関する意見交換)」が開催されました。
本懇談会は、飯島町における地域複合営農の現状や将来的な見直しに向け、地域住民の皆様から農地維持、担い手育成、特定農業法人、関係人口、有機農業、収益性、草刈り、CSA(地域支援型農業)などに関する生の意見を聴取し、今後の「地域計画」策定の検討材料とすることを目的として行われました。
会の前半では、現状の地域複合営農の見直し状況や課題に対する施策についての情報共有と、持続可能な農業農村検討委員会での協議内容についての報告が行われ、中でも特に重要となる施策として、町民向け「悉皆(しっかい)調査」について重点的な説明がなされました。
会議概要
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会議名:七久保地区懇談会
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開催日:令和8年7月10日
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時間:18時30分から20時
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会場:七久保林業センター
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議題:地域複合営農の見直しに関する意見交換
主な住民意見と論点(七久保地区)
懇談では、七久保地区の様々な立場の住民の方々から、現場のリアルな課題や提案が寄せられました。
農業を取り巻く現状と危機感の共有
具体的な数値による危機感の共有
農林水産省が公表している具体例(年間約8万人が離農、新規就農は約5万人で、毎年約3万人減少)を積極的に示し、町民へ分かりやすく伝えることが重要であるとの意見が出されました。
消費者も含めた意識改革
現状の農業者数では「一農業体当たり約100人分」の食料を支える計算となり、消費者も含めて持続可能性の課題を共有する必要性が示されました。具体的な数字を示すことで、「今の価格帯でやっていけるのか」と消費者側からも心配されるようなアプローチが必要であるとの考えが述べられました。
20代〜40代への働き掛け
地域計画(10年後を見据える取り組み)において、現在の担い手の多くが65歳以上であることから、将来の担い手となる若手・中堅世代(20代〜40代)への働き掛けを強化すべきと提案されました。
果樹農家の経営課題(果樹農家)
資材高騰と販売の苦労
りんご経営では農薬や資材費の高騰が大きな負担となっています。りんごは嗜好品であり、米と異なり常に需要がある作物ではないため販売面での苦労があるとの説明がなされました。
「ふじ」の販売価格への影響
近年は早生品種の販売が長期化した影響で、主力品種である「ふじ」の販売時期に消費者の購買意欲が低下し、販売価格に影響が出ている現状が共有されました。
後継者問題・自家農地の維持管理(花き・水稲農家)
町内にいる若い世代の巻き込み
深刻な後継者不足に対し、すでに飯島町へ戻ってきている子世代や若い世代に自家農業へ関わってもらう取り組みが現実的ではないかとの意見がありました。
草刈りからの関わり
継ぐ意思がないまま町内で生活している人にも、まずは自家農地の維持管理や草刈りなどから関わってもらう仕組みづくりが必要と提案されました。
兼業農家・退職世代の活用(兼業農家)
比較的参加しやすい役割の付与
会社勤めをしながら農地を所有する人や、定年後に時間的余裕ができる人材に対し、草刈りや農地管理など参加しやすい役割を担ってもらうことで、地域全体の農地維持に繋がるとの考えが示されました。
集落営農の成果と課題(営農組合関係者)
「任せきり」による主体性の低下
協業組合や営農組合の設立で農地保全や作業効率は上がった一方、「組合へ任せればよい」という意識が広がり、若い世代が主体的に関わる機会が減って自ら農地を守る意識が薄れたことが課題として挙げられました。
移住者への働きかけ
地域内にいる移住者に対し、草刈りを手伝ってもらうなどの働きかけも重要であると述べられました。
水稲経営の将来と法人化の必要性(専業稲作農家)
個人経営の限界と法人化
米価変動や資材・機械価格の上昇により個人経営の維持は困難であり、数千万円規模の大型機械投資が必要なため個人就農は難しい現状が指摘されました。
共同利用と六次産業化
地区営農組合を中心に法人化を進めて人材を雇用し、共同利用による効率的経営を行うこと、さらに加工・販売・六次産業化を組み合わせることが地域農業の維持に不可欠であると提案されました。
農業委員からの意見(農業委員)
儲かる農業への転換
遊休農地や草刈り等の維持管理が今後さらに大きな課題になると予想され、農業が儲かる・魅力ある産業にならなければ若者は定着しないとの意見が出されました。
個人経営の限界(農業者)
独自販売という手段
子どもへ農業を継承できず、自ら耕作できる範囲で続けるしかない現状が語られました。農協出荷ではなく独自販売を行うなど、販売方法の工夫も経営維持の一つの手段であると示されました。
移住者・子育て環境・自然環境の活用(農業委員)
子どもが帰りたくなる環境整備
農業だけでなく、子どもが安心して遊べる公園や自然体験ができる生活環境の充実が、子育て世代や移住者にとっての魅力になると提案されました。空き家や空き農地の積極活用も地域活性化に繋がると述べられました。
営農組合の取組(営農組合代表)
新技術と六次産業化への挑戦
53haを23名体制で管理し、ドローンやICTなどの新技術導入、さらには加工品開発等の六次産業化を進めている実績が報告されました。持続可能な農業のため、地域全体で人材や制度を繋ぐ必要性が強調されました。
懇談会で整理された7つのポイント
七久保地区の懇談会を通じ、以下の7点に意見が集約・整理されました。
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実態の定量化:農業者減少の実態を具体的な数値で町民へ伝える必要がある。
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危機意識の醸成:若い世代や非農家への情報発信と危機意識の共有が重要である。
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地域人材の活用:町内に既に居住している人材や退職世代の活用を進める必要がある。
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担い手育成との両立:集落営農の利点を維持しつつ、担い手育成を両立させる必要がある。
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法人化・共同経営:個人経営の限界を踏まえ、法人化や共同経営の検討が必要である。
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収益向上策:六次産業化や新技術導入(ドローン・ICT等)による収益向上を図る必要がある。
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地域全体の魅力向上:移住促進や子育て・自然環境整備など、地域全体の魅力向上が担い手確保に繋がる。
今後の検討課題(座長総括)
座長からは、「若い世代への危機意識の共有」「具体的な数値による情報発信」「集落営農の課題」「法人化による担い手確保」「移住者の活用」「自然環境を活かした地域づくり」「草刈り等の協益制度の活用」など、多角的な重要視点が提示されたとの総括がありました。
本日出された現場の切実な声や提案は、今後のアンケート調査や「地域計画」の策定において可能な限り反映させ、引き続き協議を進めていくことが確認されました。