令和8年7月8日(水)、田切公民館にて「田切地区懇談会(地域複合営農の見直しに関する意見交換)」が開催されました。
本懇談会は、飯島町における地域複合営農の現状や将来的な見直しに向け、地域住民の皆様から農地維持、担い手育成、特定農業法人、関係人口、有機農業、収益性、草刈り、CSA(地域支援型農業)などに関する生の意見を聴取し、今後の「地域計画」策定の検討材料とすることを目的として行われました。
会の前半では現状の地域複合営農の見直し状況や課題に対する施策についての情報共有と、持続可能な農業農村検討委員会での協議内容についての報告が行われ、中でも特に重要となる施策として、町民向け「悉皆(しっかい)調査」について重点的な説明がなされました。
会議概要
-
会議名:田切地区懇談会
-
開催日:令和8年7月8日
-
時間:18時30分から20時
-
会場:田切公民館
-
議題:地域複合営農の見直しに関する意見交換
主な意見と回答(田切地区)
懇談の現場では、果樹農家、兼業農家、法人従業員、道の駅関係者など、多様な立場の住民から切実な課題や提案が出されました。
果樹を残していく継承方式
【住民意見】
(果樹農家)長野市では、果樹をやめたい農家が役場に登録するとHP上でやりたい人と畑・ノウハウ・機械をマッチングできる仕組みがある。七久保と飯島には果樹研究会があるが、組織を作って残していく方がよいか。
【回答・整理】
継承方式についての話であり、飯島でも考えてもおかしくない。研究会でお互いどうやっていくか話し合って落としどころを見つけていくべきである。
新たに若い担い手法人を増やす
【住民意見】
若い担い手法人がもう一つあれば、農地受入の余力も増える。田切農産も100ha手がけて限界である。人口減少の中、町外の人が増えて農業に携わってくれればありがたい。
【回答・整理】
若い担い手法人がもう一つあれば受入れの余力があるだろうというお話として受け止めた。
草刈り問題と人手問題
【住民意見】
(法人従業員・兼業農家)担い手法人へ農地を出したいという要望が毎年増えており、面積的に限界で畦畔の草刈りもしきれず頭が痛い。どの産業も労働者の取り合いであり、高く売れないと時給も上げられず毎年厳しい。
野菜農家の人手不足
【住民意見】
(野菜農家)野菜農家も人手不足でやり手がいない。草を刈らないと苦情も来るが、人手がいないので大変である。
助け合いと国策への疑問
【住民意見】
田切農産に預けて畦畔以外は管理しているが、お互いに助け合うしかない。国際的には家族農業を大事にする流れがあるが、国策はスマート農業や集約化を進めており、本当にそれでよいのか疑問である。
若者の意向調査/民宿を起点とした町外人材の活用
【住民意見】
高齢になると目標収量が下がる傾向がある。若い人の意見がアンケート(悉皆調査)にどう反映されるか知りたい。また、田切地区で始まった民泊・民宿を起点に、外の人を呼び込んで農業体験等で地域と繋がる仕組みが良いと思う。千葉県での農業体験事例があれば教えてほしい。
【回答・整理】
若い世代の意向調査については、世帯主宛に後継者や家族の話を聞いて答えるよう求めているが、必要に応じて別途調査も検討したい。都市農村交流について、和郷での15年の取り組みや「WAGO AGRI COLLEGE」の実績を紹介。民泊事業者と農業者、商店などが縦割りにならず結集して地域外へアプローチすることが大切である。
県とのパイプ役としての自己紹介
(県職員)上伊那地域振興局企画振興課の県職員として、また元・町職員として、県と飯島町のパイプ役を務めていきたい。
兼業農家の後継者問題
【住民意見】
(兼業農家)親が80歳を過ぎて体が衰え、耕作地が小さくなると草刈りが一番の重荷になる。親ができなくなった時、仕事をしながらどう継続するか悩みがある。子どもに手伝わせるのもきっかけ次第である。
【回答・整理】
兼業農家が続くためには何が必要か、子どもが手伝うためには単に時給だけでなく何が壁となるのかを考えていく必要がある。
自給的農業の継承問題と草刈り
【住民意見】
自給的農業で草刈りが一番大変である。自分の畦畔だけでなく道路敷地なども刈らなければ綺麗な農村環境を保てず、苦痛になってきている。
副収入としての農業(兼業農家)
【住民意見】
(兼業農家)2年前に親から米を引き継いだ。農機具が高いため、副収入を得ながら2足のわらじでやっていく兼業スタイルが自分には合っている。若い世代にどう携わってもらうかが難題である。
栗農家の人手・経営問題
【住民意見】
(栗法人代表)16年目となり、リタイアや指導者の確保が課題である。栗拾いの手伝いは集まるが、主力となって動ける経営者的な人材がいないことが大きな課題である。
【回答・整理】
作業者はいるが経営者がいないという課題として理解した。
担い手問題と水田オーナー制度
【住民意見】
先祖からの土地を守る現状維持の人が多く、農業で収入を得て暮らそうという人が少ない。食料自給率が低い中、自分たちが食べるものは作るという意識を醸成したい。水田のオーナー制度の導入も良さそうである。
【回答・整理】
滋賀県の事例などはまさに水田のオーナー制度の参考となる。
家庭菜園と道の駅の活用
【住民意見】
(道の駅立ち上げ関係者)家庭菜園の延長で良いので、野菜や果樹を少しでも道の駅に出荷してもらいたい。小遣い稼ぎや年金の足しにもなるので、自給的農家もぜひ利用してほしい。
担い手法人と草刈り問題
【住民意見】
定年退職後に農業を始めたいという人が増えてほしい。田切農産の草刈りの大変さを近くで見ているので、地域から期待されている取り組みを応援していきたい。
【回答・整理】
草刈りの負担軽減が農業継続にどう繋がるか、野菜栽培との関係も含めて整理したい。
意見の整理と今後の課題
田切地区の懇談会を通じ、以下の4点に意見が整理されました。
-
兼業農家のサポート:若い世代が農業を継続するきっかけとしても、兼業農家の今後のあり方やサポート体制を考えていく必要がある。
-
中心的担い手の増加:田切農産に続く若い中心的担い手を増やしていく仕組みを検討する。
-
自給農園・道の駅の連携(CSA):家庭菜園や自給的農家が道の駅へ出荷するニーズがあり、CSA(地域支援型農業)の一環として検討を進める。
-
「半農半X」多様な守り手の活用:専業・兼業という従来の区分だけでなく、家庭菜園農家や「草刈りだけ協力できる人」など、多様な人材が農地の守り手となれる仕組みづくりを構築する。