2025年11月10日、飯島町役場にて「輝く農山村地域創造推進プロジェクト」の検討委員会が開催されました。 今回の会議では、唐澤町長も出席するなか、飯島町が直面している「水管理・草刈り」の物理的な限界と、それを解決するための「雇用体制の強化」という二つの大きなテーマについて、具体的な事例を交えた議論が行われました。
会議の概要
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日時:2025年11月10日(月) 18:30〜20:00
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場所:飯島町役場
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案件名:輝く農山村地域創造推進事業[持続可能な農業・農村モデル再構築検討業務]①地域ぐるみの農業体制再構築
参加メンバー
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飯島町長
唐澤隆さん
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会長
酒井富夫さん(富山大学名誉教授)
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副会長
竹澤秀幸さん
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検討会メンバー
福井守さん
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検討会メンバー
森谷美由紀さん
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検討会メンバー
有賀美和さん
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検討会メンバー
小林富夫さん
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検討会メンバー
塩澤正登さん
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検討会メンバー
高橋豊さん
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検討会メンバー
酒井裕司さん
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アドバイザー
齋藤久夫さん
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オブザーバー
織田和洋さん
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オブザーバー
橘田勲さん
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オブザーバー
坂本舜太さん
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オブザーバー
岩﨑史さん
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オブザーバー
齋藤勝晴さん
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飯島町産業振興課
齋藤鈴彦さん
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飯島町産業振興課
伊藤淳さん
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飯島町産業振興課
平井慎太郎さん
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飯島町
市村國洋さん
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飯島町
堀内恵未さん
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飯島町
堀内一真さん
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飯島町産業振興課
成澤かおりさん
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株式会社和郷
髙橋義直さん
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株式会社和郷
角田さやかさん
「草刈り」が担い手を追い詰める現状と、ハード面での解決策
酒井会長による講義では、飯島町が誇る「共益制度」の現状と課題が語られました。
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失われた「家族の力」:かつて飯島の景観を支えていたのは、家族経営における高齢者や女性たちの力でした。しかし、離農や少子高齢化によってその担い手が消え、管理の負担が特定の担い手法人に集中。いまや、その「馬力」も限界を迎えつつあります。
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「自作農サポート」と「物理的改善」:解決策として、多面的機能支払などの財源を活用した「草刈り隊」の結成が検討される一方、ハード面からのアプローチも提示されました。
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島根県の先進事例(畦畔の広幅化):圃場整備の際、あえて畦畔(土手)を広く作り直すことで、大型の草刈り機がスムーズに入れるようにした島根県の事例が紹介されました。中山間地において「機械が入れないから手作業になる」という悪循環を、構造自体を変えることで断ち切る手法です。
「選ばれる産地」になるための雇用体制強化
労働力不足を「精神論」ではなく「制度」で解決するために、㈱和郷より千葉県多古町の事例が紹介されました。
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「多古町の農業を考える会」の挑戦:国の「雇用体制強化事業」を活用し、単なる求人募集に留まらない抜本的な改革を行った事例です。
①就労環境の「見える化」:社会保険労務士による就業規則の策定や、従業員満足度調査を実施。
②攻めの広報:SNS広告や記事広告を活用し、若者が「ここで働きたい」と思えるWEBサイトを構築。 -
全額補助と伴走支援:この事業は、協議会を組織することで町の会計を通さず、経費の10割が補助されるという強力なものです。和郷からは、全国各地で培ったノウハウを活かし、飯島町でも「伴走型の支援が可能である」との力強いメッセージが送られました。
総括:農村RMOと「人口増加」の夢
会議の終盤、酒井会長は「農村RMO(地域運営組織)」の重要性に触れ、地域の未来を総括しました。
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山形県に見る「人口増」の実証:山形県の事例では、40年という歳月をかけて人口動態を分析した結果、適切なしくみを構築した地域では人口が増えているという結果が出ています。
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「まずは夢を見て、刷り込むこと」:都会のような母数の大きい場所は減少を止めにくい一方で、飯島町のような小さな行政単位であれば、戦略次第で「やりようがある」と会長は断言します。人口増は決して夢物語ではなく、まずは理想を掲げ、それを地域全体で共有(刷り込み)していくことが、実現への第一歩であると締めくくりました。
事務局より
今回の検討会では、「物理的な畦畔の改良」と「労働環境の制度的改善」という、具体的かつ実行可能な選択肢が示されました。
委員からは「実際の求人ページが見たい」「窓口はどこか」といった前向きな質問が相次ぎ、現状を打開しようとする熱意が感じられました。来月以降のスケジュール確定に向け、今回出された先進事例を飯島町の農業にどう落とし込んでいくか、さらに議論を深めてまいります。
議事内容要約
- 会議概要
(1) 日時:2025年11月10日(月)18:30〜
(2) 場所:飯島町役場
(3) 案件:輝く農山村地域創造推進事業[持続可能な農業・農村モデル再構築検討業務]
①地域ぐるみの農業体制再構築(検討会3回目)
(4) 出席:検討委員・アドバイザー(町長)・オブザーバー・事務局・委託業者(㈱和郷) - 議事の流れ
(1) 開会
(2) 町長挨拶
(3) 協議事項(スケジュール共有/多様な担い手・水管理・草刈り/雇用体制強化事例紹介/質疑/会長講評)
(4) 閉会 - 協議事項(1):業務スケジュール共有(現時点)
(1) 来月〜再来月でスケジュールを確定したい意向
(2) 疑問点・修正希望は役場へ連絡すれば反映可能、内容確認を依頼 - 協議事項(2):多様な担い手の現状と方向性(水管理・草刈り/共益制度)
(1) 酒井会長より、水管理・草刈りの現状と共益制度活用に関する講義(詳細は別紙資料扱い)
(2) 共益制度は地区により活用度の差があり、畦畔管理が一部担い手法人に集中して限界が近い
(3) これまで家族経営・高齢経営・女性経営が担ってきた機能が、少子高齢化・離農で失われている
(4) 中山間地では「自作農をどう支えるか」が重要論点
(5) 対応案:草刈り隊の組成(多面的機能等の財源も含め検討)
(6) 留意点:「自分でやれる範囲でやれていたから継続できた」側面もあり、設計は慎重に
(7) 構造対応案:圃場整備時に畦畔を広くして機械が入れるようにする手法(他県の実例言及) - 協議事項(3):雇用体制強化の事例紹介
(1) 初回から労働不足の悩みが多いため、㈱和郷より「雇用体制強化事例」を紹介(活用可否は今後検討、まずは理解目的)
(2) 事例:千葉県多古町の取組(就労条件改善タイプを活用)
(3) 実施内容の要点:社会保険労務士相談窓口、就業規則策定、従業員満足度調査、求人導線(HP)整備、SNS広告・記事広告など
(4) 和郷として複数地域での支援経験があり、現場評価が高かったため紹介 - 協議事項(4):質疑応答(主に雇用体制強化事例)
(1) 実際の求人ページを見たい → 画面投影で共有
(2) 事業の窓口はどこか → 協議会を組成し、協議会に直接交付(町会計を通らない)/助成対象経費は10割補助の整理
(3) 活用する場合、和郷が要点整理や伴走助言が可能という説明 - 会長講評(まとめ)
(1) 人口増が課題であり、農村RMOの目的とも接続するため、今後検討が必要かもしれない
(2) 夢物語ではなく、他県では人口分析で増加傾向が出た事例がある旨を共有
(3) 小規模自治体は打ち手次第で可能性がある、という観点
(4) スケジュール共有を踏まえ、意見を取り入れながら進めるので協力を依頼