2025年9月9日、飯島町役場にて「輝く農山村地域創造プロジェクト」の羅針盤となる重要な会議が開催されました。 委嘱式の後の意見交換では、地域の最前線で土に触れる農業者やアドバイザーから、WEBサイトの読者の皆様にもぜひ知っていただきたい「切実で前向きな声」が次々と飛び出しました。
会議の概要
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日時:2025年9月9日(火) 18:30〜
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場所:飯島町役場
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案件名:輝く農山村地域創造推進事業(持続可能な農業・農村モデル再構築、環境保全型農業の推進など)
- 協議事項:(1)飯島町持続可能な農業・農村検討委員会設置要綱について(2)正副会長の選任(3)輝く農山村地域創造プロジェクトについて(4)持続可能な農業農村モデル再構築検討業務について ㈱和郷より事業説明/業務スケジュールなど(5)飯島町の地域複合営農について意見交換
参加メンバー
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会長
酒井富夫さん(富山大学名誉教授)
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副会長
竹澤秀幸さん
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検討会メンバー
福井守さん
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検討会メンバー
森谷美由紀さん
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検討会メンバー
有賀美和さん
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検討会メンバー
小林富夫さん
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検討会メンバー
塩澤正登さん
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検討会メンバー
高橋豊さん
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アドバイザー
齋藤久夫さん
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飯島町産業振興課
伊藤淳さん
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飯島町産業振興課
平井慎太郎さん
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株式会社和郷
髙橋義直さん
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株式会社和郷
角田さやかさん
委員が語る「飯島町の農業」の現在地と本音
意見交換では、それぞれの立場から今の農業に対する想いが語られました。そこには、単なる数字ではない「生き方としての農業」の姿がありました。
■ 「次世代」へのバトンと所得のリアル
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福井さん:「若い方と一緒に働きたい。平均年齢は高いが、サラリーマンに比べて所得は決して低くないし、十分食べていける。その魅力をしっかりPRしてほしい」と、職業としての農業の可能性を強調されました。
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竹澤副会長:「若い人材の確保こそが最大の課題だ」と、次世代への継承を急務として挙げられました。
■ 「人手不足」という高い壁、そして「繋がり」
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森谷さん:「家族とパート1名で踏ん張っているが仕事がまわらない。パートを増やしたいが、募集や採用の仕方が分からない」という切実な悩みが共有されました。
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有賀さん(Iターン・県外出身):「パートが辞めてしまった時、どこに相談すればいいか途方に暮れた。今は花の繋がりしかないが、他の作物を作っている方ともっと相談し合いたい」と、孤立を防ぐ横の繋がりの重要性を指摘されました。
■ 安定した経営基盤への期待
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小林さん:「飯島町は米中心。それだけでは通年で収入を得るのが難しい。新しい人が入ってこられる基盤が必要。今回の6次化事業で、地域に仕事が増えるようなアドバイスが欲しい」と、事業への強い期待を寄せられました。
■ 圧倒的な「情熱」と「工夫」の背中
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塩澤さん:「4町から20町歩まで拡大し、家族も仕事を辞めて一緒に取り組み法人化に踏み切った。農業は土づくり。困った人がいれば助けたいし、大豆は良いものを作ってなんぼだ」と語る塩澤氏は、麦・青藁・蕎麦の「三毛作」という効率経営を実現されています。
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酒井さん:6年前から塩澤氏との連携、藁をつくってもらっている。藁の青刈りを増やし数十万個のしめ飾りを生産するなど、地域資源を価値に変える重要性を説かれました。
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高橋さん:「45年果樹を続けている。今年は梅が豊作で梅干しを配るほど。ただ、自分が忙しすぎて家族に迷惑をかけているのが悩みだ」と、家族経営の苦労を率直に話されました。
まとめ:町の姿を、全員で示していく
会議の締めくくりに、齊藤アドバイザーから重い一言がありました。 「営農センターが町の姿を示さなければならない。自分たちが退任した後、次を担う人がいない。全体で飯島町の農業の方向性を示す時だ」。
今回の会議は、単なる手続きの場ではありませんでした。 一人ひとりの「困りごと」を「地域の課題」として繋ぎ合わせ、みんなで解決していく。そのための第一歩が、この夜、力強く踏み出されました。
事務局より
委員の皆様の発言を整理していて、共通していたのは「孤独に悩みたくない、みんなで良くなりたい」という願いでした。 このWEBサイトでは、今後もこうした「生の声」を拾い上げ、検討委員会でどのような解決策が生まれていくのか、そのプロセスを追い続けていきます。

議事内容要約
- 会議概要
(1) 日時:2025年9月9日(火)18:30〜
(2) 場所:飯島町役場
(3) 案件:輝く農山村地域創造推進事業(持続可能な農業・農村モデル再構築検討業務:①農業体制再構築、②6次化再構築、③加工施設検討/環境保全型農業の推進検討業務)
(4) 出席:検討委員会メンバー、飯島町(伊藤係長・平井係長)、連携外部有識者(酒井教授)、㈱和郷(高橋・角田) - 議事進行(会次第)
(1) 開会
(2) 委嘱
(3) 自己紹介
(4) 協議事項(要綱確認、正副会長選任、事業説明、業務説明、意見交換) - 体制・役割の決定事項
(1) 「飯島町持続可能な農業・農村検討委員会 設置要綱」を確認
(2) 正副会長を選任:会長=酒井氏、副会長=竹澤氏 - 事業・業務説明で共有されたポイント
(1) 「輝く農山村地域プロジェクト事業」の概要を共有
(2) 「持続可能な農業・農村モデル再構築検討業務」の説明(㈱和郷の事業説明/本事業説明/業務スケジュール)
(3) 日程の訂正事項を共有
(4) 追加要望として「営農センターへのヒアリングも実施してほしい」が提示 - 現状認識(町の農業=地域複合営農)に関する主な意見・課題
(1) 人材不足・高齢化が最重要課題(若い人材確保、次世代の担い手不在への危機感)
(2) 雇用確保の難しさ(パート不足、募集方法・相談先が分からない、離職後の補充が困難)
(3) 所得・働き方の見せ方(サラリーマン比較で所得が低く見られがちだが「十分食べていける」点をPRしたい、忙しさによる家族負担の課題)
(4) 地域内の横連携不足(同一作物のつながりに偏り、他作目の農家と相談・連携できる場が不足)
(5) 米中心ゆえの通年収入の弱さ(基盤がないと新規参入が難しい、仕事(関わりしろ)を増やす助言が欲しい)
(6) 6次化・加工への期待(付加価値化で収入機会・雇用機会を広げたい、地域に仕事を増やしたい)
(7) 土づくり・資源循環の実践知(土づくり重視、藁など資材供給、複数作による資源確保・生産性向上、販路多様化(JA以外販売)などの事例共有)
(8) 営農センターの役割への要請(町の姿・持続可能な方向性を示す必要、担当者の後継不在への懸念) - 総括(この回の到達点)
(1) 委員会としての体制(正副会長)を確定
(2) 事業・業務スコープとスケジュール修正点を共有
(3) 現場の課題(人材・収入構造・連携・6次化期待・営農センター機能)を一次整理し、次回以降の検討テーマの輪郭を形成