2026/03/10

【第4回あり方検討委員会】10年後の飯島に
「子どもたちが帰ってくるか」─ 語られた、農業再編の本音と未来への青写真
【第4回あり方検討委員会】10年後の飯島に
「子どもたちが帰ってくるか」─ 語られた、農業再編の本音と未来への青写真

2025年12月9日、飯島町役場にて「輝く農山村地域創造推進プロジェクト」の検討委員会が開催されました。

本事業も中盤を過ぎ、これまでの調査結果をもとに「飯島町がどのような姿を目指すべきか」という本質的な議論が交わされました。委員一人ひとりから出された、現状への危機感と未来への期待を詳報します。

会議の概要

  • 日時:2025年12月9日(火) 18:30〜20:00

  • 場所:飯島町役場

  • 案件名:輝く農山村地域創造推進事業[持続可能な農業・農村モデル再構築検討業務]

参加メンバー

  • 会長

    酒井富夫さん(富山大学名誉教授)

  • 副会長

    竹澤秀幸さん

  • 検討会メンバー

    福井守さん

  • 検討会メンバー

    森谷美由紀さん

  • 検討会メンバー

    有賀美和さん

  • 検討会メンバー

    小林富夫さん

  • 検討会メンバー

    塩澤正登さん

  • 検討会メンバー

    高橋豊さん

  • 検討会メンバー

    酒井裕司さん

  • アドバイザー

    齋藤久夫さん

  • アドバイザー

    唐澤隆さん(飯島町長)

  • オブザーバー

    織田和洋さん

  • オブザーバー

    橘田勲さん

  • オブザーバー

    坂本舜太さん

  • オブザーバー

    岩﨑史さん

  • オブザーバー

    齋藤勝晴さん

  • 事務局(飯島町)

    齋藤鈴彦さん

  • 飯島町産業振興課

    伊藤淳さん

  • 飯島町産業振興課

    平井慎太郎さん

  • 事務局(飯島町)

    市村國洋さん

  • 飯島町

    堀内恵未さん

  • 飯島町

    堀内一真さん

  • 飯島町産業振興課

    成澤かおりさん

  • 株式会社和郷

    髙橋義直さん

  • 株式会社和郷

    角田さやかさん

現場の切実な声:スケジュールと調査への提言

まず、事務局から今後のロードマップ案が示されたのに対し、各委員からは「より具体的で、血の通った調査」を求める意見が相次ぎました。

  • 有賀美和 さん:「項目が多く、将来の青写真がまだ見えにくい。町民に分かりやすいよう具体例を表示してほしい」

  • 小林富夫 さん:「最大の壁は畦畔(土手)管理。ここで行き詰まっている現状を解決しない限り、次のステップへは行けないのではないか」

  • 塩澤正登 さん:「農業関係者だけでなく、飯島に魅力を感じて移住された方々の『飯島に来た想い』もすくい上げてほしい」

  • 酒井裕司 さん:「まだ内容が漠然としている。だからこそ、一人でも多くの人の意見を集約してほしい」

  • 森谷美由紀 さん:「まずは営農組合が今どういう実態にあるのか、現状を詳しく知ることから始めたい」

  • 高橋豊 さん福井守 さん:地域ごとの状況の違いや、これまで組合に関わってこなかった層へのアプローチの重要性について指摘がありました。

ビジョン論議:「子どもが帰りたくなる町」をどう作るか

酒井会長より、地域づくりの究極の目的は「人口増」であり、そのためには「子どもが帰りたくなる飯島町」というスローガンを形にする必要があるとの提起がありました。

  • 教育と体験の重要性 森谷さんは「子どもの頃に自然の良さを感じる体験が大切」と述べ、有賀さんは「花育活動や圃場見学など、農業を身近に感じる機会をもっと増やすべき」と、教育現場との連携を強調しました。

  • 「儲かる農業」の提示 小林富夫さんは「子どもたちに『農業は儲かるのか?』と聞かれた際、YESと胸を張って答えられるモデルを提示できなければ、就農は進まない」と、経営面でのリアリティを訴えました。

  • 若者との接点づくり 福井さんや坂本舜太さんからは「学生の夏季アルバイト受け入れ」や「高校への働きかけ」など、まずは若い世代に農業の現場を知ってもらう交流活動の提案がなされました。

組織の再定義:営農組合とセンターの役割

かつて全国の模範となった飯島の営農システムですが、時代の変化に合わせたアップデートが必要だという意見で一致しました。

  • データの裏付けと決意 齋藤久夫さんは「10年後の人口と農業者予測を出し、そのデータを直視して議論すべき。営農組合が地域を守るという決意を前面に出すべきだ」と指摘。

  • 柔軟な機構改革 竹澤秀幸さんは、最新の農業センサスを引用しつつ「既存の組織体系は一定の効果があったが、現状に合わせた修正は不可欠。女性や若者が入りやすい組織へ」と述べ、織田和洋さんも「今の時代に合わせた機構図に変えていくべきだ」と同調しました。

  • 外部視点の活用 岩﨑史さんからは「信州大学の学生の意見を集めるなど、自由な発言の場があると良い」との提案がありました。

総括:酒井富夫 会長

議論を締めくくり、酒井会長は次のように述べました。 「畦畔管理のような目の前の課題から、農村RMOのような広い視野での地域づくりまで、議論すべき点は多い。目標をどこに定めるかで落としどころが変わる。引き続き、見えない部分を一つずつ紐解きながら、飯島町の『未来の姿』を共に探っていきたい」

事務局より:まとめ

今回の検討委員会では、単なる「効率化」の議論ではなく、「飯島町というコミュニティをどう維持し、次世代に手渡すか」という熱のこもった意見が飛び交いました。

参加者全員の共通の願いは「飯島の農地と活気を守ること」です。委員の皆様から出された「移住者の視点」「学生との交流」「経営のモデル化」といった具体的なキーワードを指針に、来年度のロードマップ作成に向けて協議を加速させてまいります。

  1. 会議概要
    (1) 日時:2025年12月9日(火)18:30〜20:00(第4回)
    (2) 場所:飯島町役場
    (3) 案件:輝く農山村地域創造推進事業[持続可能な農業・農村モデル再構築検討業務]
    ①地域ぐるみの農業体制再構築
    (4) 出席:検討委員、アドバイザー(町長等)、オブザーバー、事務局、㈱和郷
  2. 協議事項(1):業務スケジュールに関する意見交換(役場より進捗報告)
    (1) 検討委員会の残回数が少ないため、スケジュールを固めていく方針
    (2) 地域複合営農の分析・課題検討:担い手法人や農家ヒアリングを継続、農地の出し手アンケートを12月発送予定
    (3) 地区営農組合から「コーディネーター配置が必要では」との意見あり
    (4) 担い手負担軽減には“思い切った発想”が必要という示唆
    (5) 町外人材も含めた関わり創出として、雇用体制強化事業やデイワーク等の仕組みを検討
    (6) 今年度の調査結果をもって、令和9年度の再構築へ向け、令和8年度ロードマップに繋げたい
  3. 協議事項(1):スケジュールに対する主な意見(委員)
    (1) 項目が多く将来像が見えにくいので、具体例を示して分かりやすくしてほしい
    (2) 畦畔管理が行き詰まりつつあり、解決しないと次に進めないのではないか
    (3) 今年度は調査段階でまだ漠然としているため、より多くの意見を集約してほしい
    (4) 営農組合の実態が分からないので、まず現状を共有してほしい
    (5) 農業関係者中心になりがちなので、移住者等の“新しい担い手”の動機や想いもすくい上げてほしい
    (6) 地区ごとの実態差があり、全地区が同じ動きかどうか分からないという指摘
  4. 協議事項(1):スケジュールに対する主な意見(アドバイザー・オブザーバー)
    (1) 営農センター立上げ当時と比べ状況が激変しており、10年後の農業の姿を見据えた整理が必要
    (2) 国は地域計画でビジョン作成を求めており、飯島町も重要局面にある
    (3) 農業者減少の中で「人がキーマン」。町内整備に加え、より広い視野での人材発掘が必要
    (4) 役場としてのビジョンがあるなら共有してほしい、分析手法も共有してほしい、という要望
    (5) 会長総括:畦畔管理が当面の最重要課題。営農組合の課題も大きく、目標設定次第で落としどころが変わるため段階的に議論したい。農村RMOも広い視野で組み込みたい
  5. 協議事項(2)(3):飯島町のビジョン・目標/営農センター・地区営農組合への期待(会長レポート要旨)
    (1) 「住み続けたいと思える町の姿」を掲げる必要(例:子どもが帰ってきたくなる町)
    (2) 地域づくりの目的は“小さな地域で人口増を実現すること”で、前例もあり夢物語ではない
    (3) 営農センターは本来、幹事会・企画部会が牽引すべきだが十分機能していないのでは、という問題提起
    (4) 地区営農組合は「耕作する人が減った」ことが根幹要因。当初想定の“地域の最後の受け手”になれていない地区もある
    (5) 中山間地では家族経営を残すべきだったという見方と、子どもの流出で家族経営が残らないという構造課題を整理
    (6) 農村RMOの活用可能性、農地貸借調整の結果として担い手法人の圃場が分散している課題を共有
  6. ビジョン・目標/期待に関する主な意見(副会長・委員)
    (1) 2025年農業センサス公表に触れ、飯島町は農地減少率が比較的緩やかで既存体系は一定効果があったが、現状に合わせた更新が必要
    (2) 担い手増は「女性・余所者(よそもの)・若者・バカ者」がキーマンという観点を共有
    (3) 子ども・学生への接点づくり(花育・圃場見学受入れ、夏の農業アルバイト、高校への働きかけ等)の提案
    (4) 農業をやりたいが土地がない人と、後継者や担い手を求める側をつなぐ仕組みが必要
    (5) 農業に直接従事しない住民も含め、草刈り等の関わりを発掘する組織があれば補完になる
    (6) 「農業が儲かるのか」を説明できるモデル提示が重要で、子どもが帰って就農したくなる町に帰着する
  7. ビジョン・目標/期待に関する主な意見(アドバイザー・オブザーバー)
    (1) 飯島の組織営農は全国的に評価されたが、高齢化で営農組合の存続自体を危惧
    (2) 規模拡大だけでは中山間地域を守れず、10年後の人口・農業者割合などデータを基に議論すべき
    (3) 地区ごとに特色があり良い一方、女性の活躍不足や若者が入りやすい機構改革の必要性
    (4) 若い人を囲うには、若い人を知り交流する場づくりが必要(交流会、アルバイト等)
    (5) 大学(信州大等)学生の意見収集や、自由に発言できる場の設計が有効という提案
    (6) 農村RMOの経験知(居場所づくり等の発表会)を参考にできる可能性
  8. 会長講評(まとめ)
    (1) 事業の「落としどころ」を最後までしっかり協議する必要
    (2) 見えている課題から対策を考えつつ、まだ見えない部分もあるため協議を継続する方針

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