2026/03/06
【事務局】飯島町らしい「オーガニックビレッジ」の形とは?
環境保全と誇りを次世代へつなぐ
【事務局】飯島町らしい「オーガニックビレッジ」の形とは?
環境保全と誇りを次世代へつなぐ
2025年9月9日、飯島町役場にて「環境保全型農業の推進検討業務」に関する打ち合わせが行われました。
今回の議題の中心は、国が進める「みどりの食料システム戦略」に基づくオーガニックビレッジ構想を、飯島町がいかに独自の解釈で、かつ戦略的に打ち出していくかという点にありました。
会議の概要
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日時:2025年9月9日(火) 15:00〜16:30頃
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場所:飯島町役場 会議室
参加メンバー
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飯島町産業振興課
伊藤淳さん
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飯島町産業振興課
平井慎太郎さん
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外部有識者(富山大学名誉教授)
酒井富夫さん
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株式会社和郷
髙橋義直さん
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株式会社和郷
角田さやかさん
検討会のキーマンと今後の手続き
会議の冒頭では、本事業のアドバイザーである齋藤氏について共有されました。齋藤氏は集落営農の取り組み当時、農政の担当係長から課長まで歴任したキーマンです。 今後のスケジュールとしては、9月末から10月初旬にかけて契約締結を進め、本格的な業務開始を目指すことが確認されました。
飯島町らしい「オーガニックビレッジ」の再定義
現在、町では振興計画パート5として、新たな形の「オーガニックビレッジ」の構築を進めています。
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蓄積された財産:飯島町にはすでに1,000haの共生栽培の歴史があり、共益制度によって景観が維持され、希少なミヤマシジミが生息する環境が守られてきました。
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打ち出し方の戦略:単に新しい農法を広めるのではなく、これまでの蓄積や生物多様性を前面に出した「飯島町独自のオーガニックビレッジ」として打ち出す方針です。
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広域連携と付加価値:将来的には松川町などとの広域連携も視野に入れつつ、まずは飯島町として「環境の見える化ラベル」なども活用し、いかに付加価値を作るかが課題となります。
集落営農と「畦畔(けいはん)管理」の成功事例
持続可能な農業において最大の課題の一つが、畦畔(けいはん)の草刈り管理です。これについて、町内の成功事例を整理し、各地区が選択できる「路線」を示す必要性が議論されました。
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田切農産の事例:一定の対価(ひと夏50万円など)を出すことで、外部から人手を確保。
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水緑里七久保の事例:組織自体が責任を持って管理を行う。
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本郷農産の事例:有料で近隣の管理を請け負うなど、地域に応じた声がけで成功している。
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営農センターの役割:やり方を強制するのではなく、こうした事例を整理して提示し、それぞれの地区が責任を持って選択できる方針を示すことが重要であるとされました。
農業の枠を超えた「町の未来」
議論は、後継者不足や家を継ぐ人の不在という、より深い地域の課題にも及びました。
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経営者と作業者の分離:次の「経営者」を作る議論と、現場の「作業者」を作る議論を分けて考える必要があります。
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スローガンの再考:町の目標は「子どもたちが帰ってこれる町」であること。現在のスローガン「いごごちいいまち、いいじままち」も、人がいて初めて成り立つものです。人がいなければ居心地も存在しないという危機感を共有し、プロジェクトを進めていくことが確認されました。
事務局より:まとめ
今回の打ち合わせでは、飯島町が平成の早い段階から描いてきた「地域複合営農」の絵を、現代の「オーガニックビレッジ」という言葉で再構築する方向性が示されました。
特に、田切・七久保・本郷といった各地区の成功事例をヒアリング・整理し、それを他の地区が「自分たちのやり方」として選択できるようにしていくプロセスは、今後の大きな指針となります。町の大切な資源である「環境」をベースに、いかに売り先や付加価値をつなげていくか。今年度はその方針を固める重要な一年となります。
議事内容要約
- 会議概要
(1) 日時:2025年9月9日(火)15:00〜
(2) 場所:飯島町役場
(3) 案件:輝く農山村地域創造推進事業[環境保全型農業の推進検討業務]
(4) 出席:飯島町(伊藤係長、平井係長)、外部有識者(酒井名誉教授)、㈱和郷(髙橋、角田) - 検討会のキーマン整理
(1) アドバイザー齋藤氏が重要人物(当時の集落営農で町の中核担当、率直だが的確)
(2) 初代センター長は林氏
(3) 関係者として小林氏もヒアリング候補 - 契約・手続きの段取り
(1) 契約書案を来週いっぱい目途で早急に送付
(2) 町で検討後、契約が進めば9月末〜10月頭の想定 - オーガニックビレッジの方向性(飯島町の打ち出し方)
(1) 「新たな形のオーガニックビレッジ」として町の振興計画パート5を作成中
(2) 1000ha規模の共生栽培・共益制度・景観維持・ミヤマシジミ生息環境など、既存蓄積を前面に
(3) オーガニックビレッジは農法ではなく地域政策・ネットワーク形成として整理
(4) 生物多様性・環境保全の厚みを増して訴求するのが有効
(5) 計画がまとまれば酒井教授と和郷へ共有する流れ
(6) 先進地参照として松川町(給食有機化)、小川村などが話題 - 和郷側の役割感(販路・外部連携)
(1) 有機取組農家が増えており、オーガニック有識者の徳江氏との関係、有機の里づくり千葉県団体連絡会加盟などの土台あり
(2) 環境を地域資源(大黒柱)として方針が定まれば、販路・売り先の議論に展開できる
(3) 今年を方針決定の年とし、来年以降に講演等で外部発信を強める案 - “見える化”とデータ活用
(1) 環境の「見える化ラベル」を取得しており、印象転換の武器にできる
(2) これまでの取組データを部分的でも提示してもらい、施策設計・発信に活用したい - 作付・関係主体のメモ
(1) 「越百黄金」は田切農産で実施、当時担当は齋藤氏
(2) 作付は町内全体で、本郷農産が規模的に中心 - 共益制度・畦畔管理(最大のボトルネック)
(1) 土づくりを3年に1回リセットする高い技術が背景
(2) 共益制度は「畦畔管理を誰が担うか」がキー(環境保全・集落営農双方の大問題)
(3) 「次の経営者づくり」と「次の作業者づくり」は分けて設計した方がよい
(4) 田切事例では条件を上げれば人が集まった(例:ひと夏50万円) - 成功事例と今後の進め方(ヒアリング→型化)
(1) 成功例:七久保・本郷
(2) 七久保:組織が責任を持って汗をかく/本郷:有料で近場管理を依頼しつつ声掛け
(3) 成功事例を整理し、地域に合うやり方を選択できる「パターン(選択肢)」として提示
(4) ヒアリング調査→整理→事例パターン化、の流れで検討を進める - 営農センターの位置づけ(ガバナンスの考え方)
(1) 営農センターは全体路線を提示し、各地区が責任を持って実行する形が望ましい
(2) 強制ではなく方針提示+地区選択を基本にする
(3) そもそも営農センターが地区のために情報・路線提示できているか、という課題認識 - 最終論点(人口・町の将来像)
(1) 「子どもたちが帰ってこれる町」が一つの目標になり得る
(2) 農業後継者だけでなく、家を継ぐ人もいないという構造課題
(3) 町のスローガン(いごごちいいまち、いいじままち)も再検討の必要性が示唆される