2026/03/25
【第3回まめっこ農産加工施設等検討委員会】
5つの加工グループの強みを結集し、
飯島町流「6次産業化」の再構築へ
【第3回まめっこ農産加工施設等検討委員会】
5つの加工グループの強みを結集し、
飯島町流「6次産業化」の再構築へ

2026年1月26日、飯島町の食文化と加工事業の未来を担う「第3回 まめっこ農産加工施設等検討委員会」が開催されました。
本委員会は、町内の農産加工事業者が抱える課題を浮き彫りにし、技術支援や設備更新、販路拡大の方向性を一本化することを目的としています。今回は、2025年9月と11月に実施された全5団体への詳細なヒアリング結果が報告され、そこから見えてきた「飯島町の加工事業の現在地」と「進むべき次なる一歩」について、専門家を交えた熱い議論が交わされました。
会議の概要
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日時:2026年1月26日(月) 13:30〜17:00
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場所:飯島町役場
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案件名:輝く農山村地域創造推進事業[6次産業化再構築業務]
参加メンバー
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検討会メンバー
佐々木妙子さん(いつわ農産加工)
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検討会メンバー
塩澤尚美さん(おいもちゃん)
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検討会メンバー
矢澤孝子さん(おいもちゃん)
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検討会メンバー
村澤昇さん(ふるさとの味)
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検討会メンバー
那須野智代美さん(味噌加工研究会)
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検討会メンバー
村瀬弥生さん(味噌加工研究会)
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検討会メンバー
荒川みずきさん(若葉の会)
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検討会メンバー
伊澤由気さん(若葉の会)
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アドバイザー
小林淳美さん(加工実務経験者)
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専門家・支援機関
吉沢しおりさん(信州6次産業化推進委員会 企画推進員)
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専門家・支援機関
古賀恭敬さん(上伊那農業農村支援センター)
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専門家・支援機関
坂本舜太さん(上伊那農業農村支援センター)
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専門家・支援機関
岡野千文さん(上伊那農業農村支援センター)
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飯島町産業振興課
伊藤淳さん
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飯島町産業振興課
平井慎太郎さん
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飯島町
堀内一真さん
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株式会社和郷
高橋義直さん
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専門アドバイザー
野口朋宏さん
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専門アドバイザー
松本奈々さん
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見える化担当
三浦亮さん
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撮影担当
菅野証さん
ヒアリング結果報告:5つの個性が語る現場のリアル


事務局より、各団体の人員体制、設備状況、衛生管理の現状が詳細に共有されました。
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「いつわ農産加工」「フルーツ工房ピュア」 餅やジュースなど多岐にわたる品目を手がけ、HACCPにも対応する高い技術力を持ちます。しかし、機械の老朽化による故障リスクと、若手人材の確保が急務となっています。
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「若葉の会」 道の駅やAコープを主力販路とし、若いメンバーも在籍しているが、他の仕事との両立は難しく、会の活動に注力する時間が足りないため、原料になる野菜の確保に課題がある。
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「味噌加工研究会」 改善センターを利用し、伝統の味を守っています。共有施設ゆえの衛生管理意識の差や、会員の高齢化に伴う運営基盤の維持が課題です。
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「ふるさとの味いいじま」 五平餅を1日1000本製造できる高い生産能力を誇ります。現状のイベント依存型から脱却し、EC(電子商取引)の強化による安定した収益化を目指しています。
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「おいもちゃん」 サツマイモ加工を中心に、TikTok等のSNSを駆使した発信力が強みです。固定の加工場所がない不安定さを解消し、高い商品開発意欲を形にする場を必要としています。
委員会による共通課題の抽出

各団体の報告を受け、委員会では飯島町全体で解決すべき「7つの共通課題」が整理されました。
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技術の属人化:保存性向上など、特定の個人に依存しない技術体系の未整備。
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設備の老朽化・制約:レンタルや共有施設による時間的・機能的制限。
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品質管理の外部依存:微生物検査や表示作成など、自前で行える体制の不足。
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開発体制の弱さ:日常業務に追われ、新商品開発に割く人員が限定的。
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販路の偏り:直売所やイベントへの過度な依存。
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組織運営の不安:高齢化に伴う会員・担い手の減少。
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収益性の伸び悩み:小ロット生産によるコスト高と価格設定の難しさ。
未来への支援方針:攻めの「常温長期保存」戦略
これらの課題に対し、事務局から短期・中長期の支援メニュー案が提示されました。
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【短期】既存資源の最大活用 HACCPに基づいた衛生管理ルールの統一や、既存設備で製造可能な商品の「磨き上げ(味・デザインの見直し)」に即座に着手します。
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【中長期】共通戦略としての「常温1年保存」 物流コストを抑え、広域販売を可能にする「賞味期限1年以上の常温商品」を飯島町全体のブランド戦略として掲げます。これに伴い、共同加工場や設備更新、さらには検査・表示をサポートする「食品技術支援拠点」の構築を検討していくことで合意しました。
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実践への動き:クラウドファンディングと「見える化」


協議だけにとどまらず、今回は具体的なアクションも実施されました。
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クラウドファンディングの準備: 市場調査とファンづくりを兼ね、クラウドファンディングへの掲載内容を精査。リターン品の選定と、その魅力を最大限に伝えるための商品撮影が行われました。
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ポートレート及び商品の撮影: 「誰が作っているのか」という作り手の顔が見える化されることで、商品のストーリー性を高めるための撮影も実施。事業者一人ひとりの想いを視覚的に発信していきます。
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事務局より:まとめ
今回の「まめっこ農産加工施設等検討委員会」は、個々のグループの悩みを町全体の課題として捉え直し、解決に向けた大きな羅針盤を手に入れた会議となりました。
特に、若手の感性とベテランの技術を融合させる「人材シェア」や、常温商品の共同開発といったアイデアは、飯島町の6次産業化を一段上のステージへと引き上げる可能性を秘めています。
令和8年度に向けたロードマップには、収支分析やデザイン、他地域の商品研究など、プロフェッショナルな視点が数多く盛り込まれています。事業者、行政、支援機関が「まめっこ(まめまめしく働く人)」の精神で手を取り合い、飯島町の「おいしい」が全国へ届く日を、私たちは全力でサポートしていきます。
- 会議概要
(1) 日時:2026年1月26日(月)13:30〜17:00
(2) 場件:輝く農山村地域創造推進事業[持続可能な農業・農村モデル再構築検討業務]②6次産業化再構築業務
(3) 出席:飯島町加工事業者(いつわ農産加工、味噌加工研究会、若葉の会、ふるさとの味、おいもちゃん)、連携外部有識者(信州6次産業化推進委員、加工事業実務経験者)、上伊那農業農村支援センター、飯島町、㈱和郷(専門アドバイザー、見える化担当、撮影担当) - 前回までのヒアリング報告(アンケート・聞き取り結果の整理)
(1) ヒアリング実施日:2025年9月23日、2025年11月25日(いずれも実施済み)
(2) 目的:地域内加工事業者の現状(人員・設備・技術・衛生管理・商品・販路)把握、共通課題抽出、支援方針(技術支援/設備更新/商品開発/販路拡大/組織運営)の方向性整理
(3) ヒアリング対象:越百農産(いつわ農産加工/フルーツ工房ピュア)、若葉の会、味噌加工研究会、ふるさとの味いいじま、おいもちゃん
(4) ヒアリング項目:人員体制・稼働日/設備状況・日産能力/加工方法・衛生管理/商品構成・温度帯/販路/課題認識・外部支援ニーズ - 事業者別ヒアリング要点(9/23実施分)
(1) 越百農産(いつわ農産加工/フルーツ工房ピュア)
① 人員:いつわ=正社員1+パート5、ピュア=パート3(休日:いつわ=年末年始中心、ピュア=土日祝)
② 設備・能力:餅加工・ジュース・ジャム・惣菜(目安:もち200kg/おこわ75升、ジュース1t)
③ 衛生:HACCP対応、微生物検査は定期(年3日程度)
④ 販路:直売・店頭中心、ネットは少量。今後は常温(賞味期限1年以上)商品のネット販路を志向
⑤ 課題:人材確保、高齢化、設備老朽化(故障リスク)
⑥ ニーズ:技術指導、人材育成(若手確保)
(2) 若葉の会
① 人員:パート・アルバイト9名、稼働は月数日、商品開発は2名程度
② 設備:真空パック機械(稼働6時間程度)
③ 衛生:HACCP対応、微生物検査は年1回(保健所)
④ 販路:道の駅・Aコープ中心。
⑤ 課題:値付け、商品開発・品質管理・販路拡大の体制不足
⑥ ニーズ:商品開発
(3) 味噌加工研究会
① 人員:会員9名、稼働は2〜5月の季節稼働、新商品開発者なし
② 設備:改善センター利用、8:30〜15:00稼働
③ 衛生:HACCP対応だが共有施設ゆえ認識差が課題、微生物検査は年1回
④ 販路:道の駅等の地域中心。今後は町民の認知・購買促進を重視
⑤ 課題:価格設定、品質管理、会員増(担い手・運営基盤強化)
(4) 9/23分の横断整理
① HACCP等の基礎はある一方、老朽設備・技術指導不足が課題
② 新商品開発体制の弱さ、販路・営業力不足、少人数・高齢化・稼働日限定が共通
③ 規模・販路制約で収益性が限定的となり、価格設定や人材確保に波及 - 事業者別ヒアリング要点(11/25実施分)
(1) ふるさとの味いいじま
① 人員:7名(正社員2、パート・アルバイト5)、週4〜6日ローテ稼働、商品開発者なし
② 設備・能力:ライスロボ等、五平餅=4時間500本/1日1,000本能力
③ 衛生・品質:HACCPの考え方導入、微生物検査、表示・栄養成分表示は外部依頼中心
④ 販路:卸・売店・ふるさと納税中心、今後はEC強化志向
⑤ 課題・ニーズ:販路拡大(イベント依存の波動、販売機会安定化)、販路紹介希望
(2) おいもちゃん
① 人員:9名、秋〜冬の季節稼働
② 設備・稼働:焼き芋蒸し器(ガス)、乾燥機。加工場所はいつわ施設をレンタル(10〜3月、12月制約/費用5,000円)
③ 衛生・品質:表示・賞味期限設定の経験あり。一方、HACCPなし、微生物検査なし
④ 商品・販路:常温中心、Aコープ直売・道の駅中心。SNS(TikTok)運用中で伸びしろ
⑤ 課題・ニーズ:人手不足、加工場所・機器制約で不安定、デザイン支援希望、商品開発意欲は高い
(3) 11/25分の横断整理
① ふるさとの味は生産能力が高く、販路強化で収益改善余地が大きいが、品質管理は外部依存が多い
② おいもちゃんは常温商品で展開しやすい一方、設備が季節・レンタル制約で安定性に課題。HACCPや検査面の底上げが必要 - 共通課題(委員会としての整理)
(1) 技術の属人化/技術の偏り(保存性向上技術などの習得不足)
(2) 設備の老朽化・制限(故障不安、レンタル・季節制約、共有施設ルール差)
(3) 品質・衛生管理の外部依存(検査、表示、期限設定などの支援不足)
(4) 商品開発体制の弱さ(担い手不足、担当者限定)
(5) 販路の偏り(直売・道の駅・イベント依存、EC・SNS弱い)
(6) 組織運営課題(高齢化、少人数、稼働日限定、会員・人材確保)
(7) 収益性(規模・販路制約、値付け、労働力不足がボトルネック) - 支援方針(案)/今後の検討方向
(1) 短期:既存設備で着手できること
① 衛生管理の統一(共有施設ルール整理、HACCPの考え方共通化)
② 既存設備で製造可能な商品の見直し・磨き上げ(味・規格・表示・小ロット設計)
③ 販路紹介・販促支援(町内認知向上、試食・PR、ふるさと納税・ECの基本整備)
(2) 中長期:基盤整備・体制強化
① 若手育成と加工技術の体系化(属人化解消、標準手順整備)
② 常温長期保存商品(賞味期限1年以上)を共通戦略として検討
③ ブランド・デザイン支援(パッケージ、ストーリー、統一感)
④ デジタル販路強化(EC、SNS、ふるさと納税、モール参加、TikTok等)
⑤ 共同加工場・設備更新・人材シェア等、安定稼働に向けた拠点機能検討
⑥ 地域内に「食品技術支援の拠点」機能(検査・表示・期限設定等)の検討 - 今後の対応(アクション整理案)
(1) 各団体の優先課題(設備/人材/販路/品質)再確認と、短期で実行可能な支援メニュー整理
(2) 常温長期保存品の候補出し(既存設備で可能/新設備が必要の切り分け)
(3) 品質・表示・検査に関する支援体制の整理(外部依存の棚卸し、地域内支援の設計)
(4) EC・SNS・ふるさと納税の現状診断と、販路拡大の実行計画案作成
(5) 共同加工場・設備更新等の必要性について、選択肢(整備方式・運用・費用・担い手)を整理し次回で検討 - 当日実施のプログラム(概要)
(1) ワークショップ:地域資源の洗い出し/開発したい商品イメージ/共有/総評
(2) クラウドファンディング:掲載内容確認/リターン品確認/リターン品撮影
(3) ポートレート及び商品撮影:見える化に向けた撮影
(4) 今後の進め方確認:R8に向けたロードマップ整理、タスク整理、各事業者課題に対応した対策、収支分析、商品開発、デザイン方向性、他地域商品研究、クラファン活用によるファンづくり継続、R8ゴール設定























