2026/03/25
【第1回まめっこ加工農産加工等検討委員会】飯島町の
「おいしい」を全国へ。農産加工の再構築を目指す第一回目の
検討委員会がスタート
【第1回まめっこ加工農産加工等検討委員会】飯島町の
「おいしい」を全国へ。農産加工の再構築を目指す第一回目の
検討委員会がスタート

2025年9月22日、飯島町役場にて「まめっこ加工農産加工等検討委員会」が開催されました。
今回のテーマは、飯島町が誇る農産加工の「6次産業化の再構築」と「加工施設の検討」です。町内で長年愛されてきた味をいかに守り、そして新しい技術や視点を取り入れて全国へ届けていくか。現場のフロントランナーによる熱い協議が行われました。
会議の概要
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日時:2025年9月22日(月) 13:00〜17:00
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場所:飯島町役場
参加メンバー
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検討会メンバー
佐々木妙子さん(いつわ農産加工)
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検討会メンバー
那須野智代美さん(味噌加工研究会)
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検討会メンバー
荒川みずきさん(若葉の会)
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アドバイザー
小林淳美さん(加工実務経験者)
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飯島町産業振興課
伊藤淳さん
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飯島町産業振興課
平井慎太郎さん
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株式会社和郷
髙橋義直さん
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専門アドバイザー
野口朋宏さん
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見える化担当
三浦亮さん
現場のリーダーたちが語る、加工事業の現在地
協議の中では、各加工グループの現状について詳細なヒアリングが行われました。そこには、飯島町の食を支えてきた自負と、現代の市場に対応するための課題が浮き彫りになっています。
いつわ農産加工(およびフルーツ工房ピュア)
【現状】
山菜おこわや赤飯が地域の味として定着しており、小ロットからの委託加工も大切にしています 。
【挑戦】
急速冷凍技術の導入などにより、日持ちの課題を解決し、全国へ飯島の味を届ける可能性を模索しています 。また、若手人材の確保による製造能力の向上も視野に入れています
いつわ農産加工の現状の課題と直面している壁
【設備と収支】
加工施設の老朽化が激しく、いつ故障するか分からない不安の中で操業を続けている 。現在の事業は赤字経営であり、販路や生産量を拡大したくても、設備や体制の面で限界に達しています。
【デジタル対応】Webサイトはあるものの更新が止まっており、注文受付も電話やFAXが中心で、EC(ネット販売)への対応が遅れています。
【人材】
ジュース・ジャム部門(ピュア)ではスタッフの高齢化が進み、製造能力を維持するための若い人材の確保が急務となっています 。

味噌加工研究会
【現状】
飯島町産の米・大豆を100%使用し、1年半かけてじっくり熟成させる「お陣屋みそ」などの伝統を守っています 。
【挑戦】
原材料費の高騰という課題に対し、適切な価格設定や品質管理の強化、そして新たなスタッフの獲得による技術継承を目指しています 。
味噌加工研究会の現状の課題と直面している壁
【経営と価格】
材料費(米・大豆等)の高騰により、本来は値上げが必要な状況ですが、既存顧客の離反を恐れて踏み切れていません。利益を確保するために、本来支払うべき人件費(配当金)を削って仕入れに回している現状があります 。
【人材と認知】
メンバー12名のうち、実働が2名に偏っており、深刻な人手不足に陥っています 。また、販促活動の手法が分からず、リピーター以外への認知度が低くなっています 。
【設備と衛生】他のグループと施設を共有しているため、衛生管理の認識にズレが生じることがあります 。

若葉の会
【現状】
福美人(天日干し野菜)やなすの辛子漬など、素材を活かした商品を手掛けています 。漬物の材料となる塩漬け野菜や干し野菜を作る人材が不足しています。
【挑戦】
徐々に近隣への販路を拡大しつつ、現在のニーズに合わせたパッケージのリニューアルや、新しい加工場の整備による「ビジネスとしての自立」を強く意識しています 。
若葉の会の現状の課題と直面している壁
【販路とブランディング】
現状の販売価格が低すぎると感じており、都会のスーパーや百貨店など、商品の価値を認めてもらえる販路への拡大も視野に入れている。
【組織と意識】
収益を次への投資に回したい層と、メンバーへ分配すべきと考える層の間で、組織運営の方向性に意識のズレが生じている と思われます。
【製造体制】
設備や人員の制約から「原材料の確保が難しく、販路が拡大できない」というジレンマを抱えており、ビジネスとして拡大するためには新しい加工場の整備が必須と考えています 。

市場調査について
クラウドファンディングで「ファン」をつくる
今回の大きなトピックは、クラウドファンディング(CF)を活用したマーケティング調査です 。 これは単なる資金調達ではなく、全国の人々に「飯島の物語」を届け、反応を確認するための「市場調査」として位置づけています 。各団体が協力して開発する「アソート品(詰め合わせセット)」などを通じて、データに基づいた「飯島ブランド」のファンづくりを進めていく計画です 。

飯島町加工室視察
「まめっこ農産加工施設等検討委員会」のプロジェクトの一環として、飯島町役場エリア内に隣接する「飯島町加工場」の現地視察を行いました 。ここは、「味噌加工研究会」や「若葉の会」など、町内の加工グループが長年利用し続けてきた、まさに飯島の食文化の心臓部ともいえる場所です 。
※画像クリックで拡大します
おわりに:飯島の「美味しい」を、100年先も。
今回の検討会を通じて、飯島の食文化を支える現場が、今まさに大きな転換期にあることが浮き彫りになりました 。人間、機械、設備――そのすべてが限界に近づいているという厳しい現実があります 。しかし、そこには「この味を途絶えさせたくない」という、作り手たちの揺るぎない情熱もまた溢れていました 。
私たちの役割は、単に施設を新しくすることではありません。限られた財源の中で、若者が「ここで働きたい」と誇りを持てるような、自立した「稼げる仕組み」をデザインすることです 。
「指をくわえて見てはいられない。今、私たちが動かなければならない」
この強い覚悟を胸に、私たちは変化を恐れず、飯島らしい農業の再構築に挑みます 。クラウドファンディングやワークショップなど、これから始まる一つひとつの挑戦は、すべて飯島の未来を創る一歩です 。
町民の皆さまと共に、飯島の「美味しい」が100年先も続く未来を、着実に形にしてまいります。これからも私たちの活動に、温かな応援をよろしくお願いいたします。
議事内容要約
- 会議概要
(1) 日時:2025年9月22日(月)13:00〜17:00
(2) 場所:飯島町役場
(3) 案件:輝く農山村地域創造推進事業「まめっこ加工農産加工等検討委員会」(持続可能な農業・農村モデル再構築検討業務:②6次化再構築③加工施設検討)
(4) 出席:検討委員会メンバー(いつわ農産加工、味噌加工研究会、若葉の会、信州6次産業化推進協議会 企画推進員)、飯島町(農政係等)、㈱和郷(髙橋、野口、三浦) - 当日の構成(流れ)
(1) 13:00〜13:30 事前打合せ(進め方・協議内容の確認)
(2) 13:30〜15:30 検討委員会(自己紹介、事業説明、ヒアリング)
(3) 加工場の視察(飯島町加工場)
(4) 視察研修の詳細説明(町側から)
(5) 委員会メンバー構成の説明(町側から)
(6) 16:00〜17:00 今後の進め方協議 - 事業説明で共有された観点
(1) 和郷より事業説明(加工事業の取組方針)
(2) 事業の詳細説明
(3) 広報施策および「見える化」の詳細説明 - ヒアリング要点:いつわ農産加工(佐々木氏)
(1) 母体は越百(こすも)農産。なめこ栽培出荷量が県内トップ級
(2) 工場は年末年始以外稼働(週休二日制)
(3) 飯島町の「米文化」の中で、山菜おこわ・赤飯の味として定着している
(4) 越百農産のなめこを活用した商品開発・製造を進めたい
(5) 商品開発は本人が担っているが、OEM開発(有償対応)は時間が不足
(6) 加工技術・殺菌等の知識は保有しつつ、さらに学びたい意向
(7) 急速冷凍等があれば全国流通が可能になる、という課題意識
(8) ジュース製造はフルーツ工房ピュアで実施している - ヒアリング要点:若葉の会(荒川氏)
(1) 保健所許可は更新で継続してきたため、味噌・漬物以外の新商品が作りにくい
(2) きのこのからし漬/なめこ醤油漬は製造後に冷凍し、販売時に解凍している
(3) きゅうりは塩漬けで保管した原料を活用(手間暇をかけている)
(4) 商品にレシピを付けて販売する工夫をしている
(5) 価格設定が弱点(安すぎるため、適正に上げたい)
(6) 商談会で「容量が多い」と指摘を受けた
(7) 施設の老朽化が進み、新しい加工機器が必要
(8) 冷凍ストッカーは最近購入
(9) 「町外でも売れるようにしたい」という販路拡大意向 - ヒアリング要点:味噌加工研究会(那須野氏)
(1) 規約に基づき活動を継続している
(2) 商品:味噌(1kg、750g)、おふくろ糀、豆菓子(小分け袋詰め)
(3) 菌検査を定期的に実施(保健所指示)。学校給食提供時に検査結果の提示が必要
(4) 販売:道の駅、イベント、直接販売
(5) 原料(大豆・米)は飯島町産だが、米の高騰が課題で原料確保に影響
(6) 今後は価格改定(値上げ)をせざるを得ない状況
視察・研修/委員会運営に関する共有
(1) 飯島町加工場を視察
(2) 視察研修の詳細を町側から説明
(3) 検討委員会の構成メンバーについて町側から説明
(4) 今後の加工検討委員会の進め方を協議(次回以降の検討の進行設計)





